あれから私は、お母さんに何にも聞かなかった。

お母さんもいつも通りになっていた。

あの涙は、何?

気になるけど、なかなか聞けない……

私は、優柔不断でいつもはっきりしない。

でも、聞かない方がいいよね?

「愛歌、どうしたの?」

悩んでいる詩織が聞いて来た。

「あっ、明日から夏休みだしどこに行こうかなって考えてて」

私は、嘘付いた。

「じゃあ、Wデートしない?」

詩織が言った。

Wデート?

「Wデートって?」

私は、詩織に聞いた。

「私と光輝と愛歌と康太君で遊園地とか行かない? 光輝にも聞いてみるし」

でも、光輝君と康太って会った事ないのに……

「でも、光輝君と康太って会った事ないよ」

私は、言った。

「大丈夫。そこは、男同士だからすぐ仲良くなるって。光輝と康太君って名前似てるし、合うと思うの」

確かに名前は、似てるけど……

「取り合えず、康太君に聞いて見て」

「うん。でも、亜由は?」

「亜由は、彼氏と旅行行くらしい」

「そうなんだ」

旅行か。

いいな~。

私も旅行行きたいな~。