次の日―

「愛歌、行くぞ」

「うん」

いつも通り、康太に起こされて学校に向かう。

康太が手を差し伸べてきたから私もその手を握り返した。

康太と付き合ってからは、毎日手を繋いで学校に行く。

学年、皆にももちろんその事は知ってる。

カシャッ

あれ?

今、何かカメラの音がしたような?

私は、後ろを振り返った。

気のせいかな?

「愛歌、どうした?」

康太が私の顔を覗き込んだ。

ひゃー。

康太のドアップ。

緊張する……

何か顔が近い……

もしかしてキス?

でも、誰かに見られたら恥ずかしいし……

私は、顔を背けた。

「えっ……?」

康太が驚いた顔して言った。

「早く学校に行こう。遅刻しちゃうよ」

私は、誤魔化して康太の手を引いた。

「あっ、そうだな……」

康太は、小さな声でそう言った。