「やめねぇよ。このおじさんが悪いんじゃねぇか」
「確かに悪いかもしれないけど、モデルが手を出したら勇輝君の人気も落ちるわよ」
俺の人気なんかどうでもいい。
今は、このおじさんを殴りたかった。
「そんなのどうでもいい。このおじさんがムカツクから」
俺は、おじさんに殴った。
おじさんは、血を垂らして尻餅ついた。
「いいのかね? こんな事して。まぁ、記事に載せるから覚悟しなよ。いい度胸だな」
そのおじさんは、そう言って帰って行った。
何だよ……
ムカツク……
何でも記事に載せればいいと思ってるのか?
それで偉いと思ってるのか?
「勇輝君、何であの人に手を出したの? あの人は、一応偉い人なんだから。クビも覚悟しないといけないわよ」
「分かりました」
次の日―
俺と愛歌の記事が載ってた。
勇輝、逆切れして記者会の人に殴った?とか勇輝、モデルのAIKAが危篤中で涙を流した?とかモデルAIKA<このまま死んでしまうのか?と言う記事だった。
あのおじさん、やっぱりやりやがった。
こんな事して楽しいのかよ。
俺と愛歌は、周りにいっぱい噂をされた。
俺は、無視している。
そして俺は、今日も病院に行く。
「あのまだ意識が戻らないんですか?」
「ちょっと手術します。助かる方法があったんで……」
病院の先生は、言った。
「宜しくお願いします」
俺は、頭を下げた。
俺は、椅子に座って愛歌が意識が戻るように必死にお願いした。
どうか愛歌を助けてください……
1時間後―
手術室のランプが消えた。
ガラッ
病院の先生が出て来た。