康太が好きなのに違う人とキスなんて……

でも、モデルとしてそのくらい出来ないといけない。

だから例え嫌でもやらなきゃ。

でも、私のファーストキスが……

そんな事、言ってる暇ないよ。

「はい。頑張ります」

私は、言った。

「よかった。じゃあ、明日からロケ地に行って撮影するから準備しててね。はい。これ、台本。頑張って覚えてね。朝、迎えに行くから待っててね」

高岡さんに台本を渡された。

「はい」

台詞、ちゃんと覚えられるかな?

私、演じるとか出来るかな?

頑張らなきゃ。

私は、事務所から出て家に帰った。

帰ってお母さんに言わないと。

「お母さん、話あるんだけど」

「何?」

「あのね、今度私ドラマに出るの。それで明日からロケ地に行って撮るの。だから学校も休まなきゃいけないの。それでそっちのロケ地の旅館で2ヶ月泊まる事になったの」

私は、言った。

「愛歌すごいわねー。頑張ってね」

「うん」

あっ、康太にも言わなきゃ。

もちろん、詩織と亜由も。

まず、詩織と亜由を呼ぼう。

私は、詩織と亜由を家に呼んだ。

「えっ、愛歌ドラマ出るの? すごいなー」

「頑張ってね!で、2ヶ月会えないの?」

「うん、そうなんだ」

「寂しいな。でも、2ヶ月経ったらすぐ帰ってくるんやろ? 帰ったらうちの所、来てな。後、お土産宜しく」

「私の所も来てね。私もお土産宜しく」

「うん。頑張って行って来るね」

私は、言った。