夏の海~遠い日の約束~




そのあと
二人で砂浜を
一緒に歩きながら話した


『ごめんなさい。俺、勘違いして。』


『ううん。半分は当たってるから…。』


『半分??』


『そう…半分。』


『どういうこと?』


『死のうと思って海にきたんじゃないけど、海見てたらあまりにも綺麗で…このままこの海に消えてしまうのもいいかなって。ちらっとそう思ったから。』


『…どうして。』


『してはいけない恋をした。』


『してはいけない恋?』


『うん…奥さんがいる人を好きになっちゃった。』


『不倫ってこと?辛いんやったらやめたらええやん。』


『始めは知らなかったんだ…奥さんいるって。自然と惹かれ合って離れられなくなってから聞かされた。』


『なんだよ、そいつ。それは反則やろ。』


『私も聞かされた時は頭が真っ白になって…すぐに別れなきゃって思ったんやけど…。』


『まだ別れてないんや…』


『…うん…。』


彼女が砂浜から
道に上がる階段に腰掛けた


俺も自然と隣に座る