夏の海~遠い日の約束~




『やめろよ』


そう叫んだ俺を
驚いた顔で彼女が見てる

この時
初めて彼女の顔を見た
整った綺麗な顔立ち



『どうしたの?』

彼女はそう言いながら
きょとんとしてる


『死んだらあかん』

俺は夢中でそう答えていた


『落ち着いて。私は死なないよ。』


彼女のその言葉で我に返り
俺の勘違いだと思い
ハッとして
彼女の腕を掴んでた手を
慌てて放した


『ごめん!』

『ううん。私を心配してここまで走って来てくれたんでしょう。ありがとう。』