『颯太くん。久しぶり。あの時は本当にありがとう。それに約束覚えていてくれて、ここへ来てくれてありがとう。』
絢音さんの笑顔がキラキラと
海の輝きにも負けず輝いてる
俺には眩しい!
言葉が直ぐに出てこない
『颯太くん?』
何も言わない俺の顔を
絢音さんが覗き込んだ
俺は間近にある
絢音さんの顔を見て
ますます何も言えず
ただ顔が赤くなってるのは
分かった
『どうしたの?』
『いや…絢音さん元気で良かった!随分雰囲気が変わったね。』
『そうかな?髪を切ったからかな?そう言う颯太くんも大人っぽくなったね。あの時は高校生やったもんね。』
俺達はあの時と同じ場所に
海に向かって隣同士に座り
あれからのことを報告しあった
絢音さんは
俺と逢ったその日に
髪を短く切り
元彼に別れを告げたらしい
携帯電話から彼の番号も消し
あれから
見かけることはあっても
話してないと
きっぱり別れ
絢音さんは自分自身で
立ち直った
仕事に打ち込み毎日を過ごし
看護士の仕事をしながら
助産婦の免許を取った
彼女の夢だったらしい
新しい彼氏が出来たのか
気にはなったが
俺からは聞けなかった
けど
絢音さんの方から聞いてきた
『颯太くん彼女は?』
『俺?いないよ。』
『えっ?モテそうなのに。』



