太陽王子と月の姫



「うっし。じゃあそろそろ帰るかあ」

「だなあ」


俺たちは
着替えて校門へ向かう


その時

「あのっ..晴輝くん!」


知らない女の子に
声をかけられた


「はい??」

「あの...あたし、三浦ゆきっていいます。...えっと、.....好きです..。いきなりでごめんなさい。でも、1年の時からずっと気になってて...」


ゆきと名乗った女の子は
真っ赤な顔をして
そう言った


「あ―...ごめんね??俺、今彼女とか作る気ないんだ」

いつもの言い訳

いったい
何回このセリフを言っただろう

「...はい。いきなりすみませんでしたっ...」


そう言うとゆきちゃんは
泣きながら
走っていってしまった


「晴輝って、なんで彼女つくんねえの??そんなにモテるのに。今の子だって、可愛かったじゃん。」

隣で親友の陽介がぼやく

「今の俺は、サッカーが恋人なの。」

「もったいねえよなあ〜」


なぜか俺は
昔から女の子に
声をかけられる事が多かった

俺を好きと言ってくれるのは
とても嬉しいけど

正直
自分でも
こんなサッカー馬鹿のどこがよくて
好きになってくれるのかがわからない

それに俺は
今までどの女の子にも
特別な感情を抱いた事はなかった