「 佳奈ー!何してんだよ、んなとこで。 」
後ろを振り向くといつもと変わらない陸の笑顔。
あたし一人でいると、陸はいつも一緒に居てくれるんだ。
「ちょっと散歩ってとこ。陸は?」
「あ、俺?俺はねぇー。あれだ、散歩だ、散歩。コイツの。」
陸はそういって連れていた犬を指差し、最近コイツ太ったんだよ。と笑った。
「プリン・・久しぶり。」
犬の名前は『プリン』
陸がプリン、好きだから・・。
「田川せんぱーいっ!何してるんですかーっ」
あたし達がプリンをいじっていると、後ろから数人の女の子の声がした。
『田川先輩』
それは陸の事。
「あーっ今ねー。散歩だよ、散歩。コイツの。」
陸はそういってあたしのときと同じようにプリンを指差した。
「篠原先輩と二人でですかぁー?
田川先輩と篠原先輩っていつも一緒ですよねー。」
それに続いて隣に居たもう一人の女の子が、付き合ってるんですか?と続けた。
そう、だったらいいんだけどね・・。