花嫁に読むラブレター


 弱みを握った者の――勝利に酔った者の目をしていた。

 マイアはその場に硬直し、眉をひそめてレナータを見つめ返した。鼓動がどんどん大きくなっていく。焦燥を促す不安だけが風船のように膨らんでゆく。いつ破裂してもおかしくないほど、マイアの中で膨れ上がった気持ちを誘導するように、レナータの視線が焚き木の中に注がれた。まるで、わざとマイアの視線をそちらに向かわせるかのような、わざとらしい仕草で。

(――まさか)

 焚き木の中に埋もれる紙切れを見た瞬間、マイアは弾かれるように部屋の中に戻った。震える手で引き出しを開ける。

 中にあるはずの、ステイルからの手紙が一通もないことに気づくと、再び窓の外に駆け寄った。

 無言でマイアを見据える瞳は、炎のように揺れている。

 いびつに歪んだ唇が、マイアの悔しさを喜んでいるようだった。

「あなた……」