「柏木室長、今日はデートじゃないんですか?」
 

何か話題を見つけて話そうとしたら、また聞いてしまっていた。


彼女の存在が気になっているのかもしれない。


「ああ。違う。彩乃、柏木室長って呼ぶのはやめろよ。まだ仕事中みたいでリラックスできない」

 
その言葉に納得。


仕事が終われば重責を取り払いたいのだろう。


あたしの呼び方もプライベートモードになっている。
 
 
「……う、うん、涼ちゃん」


昔から呼んでいた愛称が自然と出た。