「私があなたのどこにフェチを感じてるか分かる?」





唐突な質問。
彼女は彼氏に唐突な質問をした。


彼氏はもちろん怪訝な表情。


「何だその質問?」


「だから分かるのかって聞いてるの!」


そう言った彼女は
彼氏の胸に顔をうずめる。


微かに香るオイルの匂い。
彼氏はさっきまでバイクを整備していたのだ。


自分の胸に顔をうずめて
満足顔の彼女を見て


彼氏はにんまりとした。



「分かった。胸板だろ。
俺のたくましい胸板に


フェチを感じてる。そうだな」


「ブッブー」



「違うのか…じゃあベタに鎖骨とか?」



思いっきり頭を振る彼女。



「違うの?じゃあ…」



彼氏は腕に力を入れて
力こぶを作る。

彼氏のたくましい腕にぶら下がって
これまた満足顔の彼女。


しかし答えは…


「ブッブー」


彼氏は答えが全く分からない。


「ヒント上げましょか?」


いたずらっぽく笑う彼女。
そんな顔を見て改めて可愛いと思う彼氏。



「ヒントは…1+1=」



「なんだ1+1って?

答えは2だけど」



その瞬間。


彼氏が2と言った瞬間
彼女はこの日一番の笑顔を見せて彼氏に飛びついた。



だけど彼氏はいまだに答えが分からない。




「そう2!私はあなたの2に
メロメロなのよお!」



「なんじゃ2って?わけわからん」



「また2ってした!また2してー!」



「やけくそじゃ!22222!」



「きゃー!」


喜ぶ彼女に混乱する彼氏。
正反対の顔をする二人。


彼女は顔いっぱいの笑顔を
彼氏に見せながら叫んだ。





「私はあなたの笑顔がだーい好き!


私はあなたの笑顔フェチなのよ」