【短編】『Love Step』番外編 G A

幸い聖良の怪我は捻挫だけで、特に骨折もなく、頭なども打っていなかったのだが、龍也にとって彼女が怪我をしたという事実は重かった。

通常マラソンコースには、大会実行委員がそれぞれの持ち場でコースを指示することになっている。

だが、聖良と最後尾を走っていた集団が余りにも離れていた為、係りの者が聖良の前で全員通過したものと思い込んでしまい、その後から来る聖良の存在を確認せずに引き上げてしまったのだ。

その場を担当した少年Aが龍也の怒りによってどうなったかは、あえて言わずとも想像がつくだろうという事で、この場では語ることを控えよう。

その日の夕方

マラソン大会実行委員と生徒会役員が召集されたのは言うまでもなく

反省会は5時間にも及ぶ前代未聞の長さとなった。