【短編】『Love Step』番外編 G A

当の聖良は龍也に発見されるまで、コースから一本外れた河原の、土手のくぼみに足をくじいて座り込んでいた。

コースを間違えたと気付き、戻ろうとしたときに雑草に足を取られ、そのまま滑り落ちてしまったらしい。

足の痛みに立ち上がることも出来ず、不安だったのだろう。捜しにきた龍也を見たとたん、泣き出してしまった聖良。

あまりの愛しさに思わず抱きしめた龍也が、その場で襲わなかった事はある意味奇跡だったかも知れない。

…たぶん、足の怪我がなかったら、その確率は98%以上だったであろうと思われる。