憎しみの構図

「じゃ、竜太郎君は
 この泥棒のモモちゃんの
 肩を持つって云うのかい?」
太郎が言ったことは
竜太郎の
心の片隅に
芽生えていた
動揺の核心を
とらえていたのだ。

人がいつあせるか、、、
自分が
仕出かそうとしている悪事を
暴かれそうになる時こそ
もっとも 
人はあせるのだ。 

自分に非がなく
苦境に立たされる時には
人はそれほどは 
あせらないものだ。

一縷でも
自分に非があるとき
身に覚えがあるときこそ
あせりが加速し
自己保身のために
苦悩するのである。