空に舞い散る桜の花びら

カチ、カチ..



静かな部屋に、音は大きく響く。




「・・っ・・。」




「・・っゆうっ、き・・」





ドタドタドタドタ...





ガチャ、



部屋の扉が勢いよく開いた、



「っ、?!」



「そらっ!」




私を呼ぶ声とともに、誰かがぎゅっと私を抱きしめる。




「と、もき・・?」




「なんで死のうとすんだよっ、!なんでそんなに哀しそうな顔すんだよ、!」






「ともき・・、とも、・・・きぃ・・」



私の目からは、溜まっていた涙が溢れだす。





五年前。



あの日、あの時から、



優騎の『死』という現実から目を背けるかのように私は、



涙を流すのを拒み続けてきた。






なのに、なんでかな。



智樹の胸で泣けるのは、―・・・。