貴方が居なくなってから、五年―。
今だって私は、こんなにも貴方が好きなのに。
どうして貴方は居なくなってしまったの?
もう、どうしようもない事なのに。
桜の木を見ると、優騎を思い出す。
あの時、もっとちゃんと話しておけばよかった、
優騎の声に、少しでも耳を傾ければよかった。
優騎、優騎、ゆうき―・・・。
会いたい、会いたいのに、
それなのに貴方は、何故空の上なんかに居るの―・・・?
「・・死にたい、・・。」
優騎の所に、行きたい。
トゥルルルルル...
携帯電話が鳴る。
携帯には、
『智樹』の文字―。
私の今の彼氏―・・。
カタ、
智樹からの着信を無視して、
私は近くにあったカッターを手にとって手首に持っていく。

