空に舞い散る桜の花びら

「そら・・っ!」



なんで、なんで追いかけてくるの?



ねぇ、もう、こないでよ―・・・。




「空!危ないっ!」



ドンッ。



キィィィィィ―ッ。



「え―・・・?」



誰かに押されて、倒れた私は、その場の把握が出来ずにいた。




足元を見ると、赤く染まった道路―。



血・・?




とっさに自分の体を見るけど、傷一つない。




誰の、血―?




「大丈夫か?!」



その声が聞こえたのは、私の後ろの方。




そこに倒れていたのは―、



「ゆう、き・・・?」



血だらけの、優騎。





「ゆう、き・・?ねぇ、優騎?!ゆうき・・?!」



走って優騎の元へと駆け寄る。



「ゆうき、・・ゆ、うき・・ねぇ・・ゆう、きぃ・・。」



私は、優騎を揺さぶって呼びかける。




「お嬢ちゃん、揺さぶっちゃ駄目だよ。

 救急車が来るから、少し離れていなさい。」



周りから駆けつけたおじさんが、優騎から私を引き離す。



「っ・・やめっ、やめて・・っ!はな、・・してっ・・!」



「ゆ、うきぃ・・・っ。」