「そら、帰ろう―。」



私の目の前で優しく微笑む人、



それは、私の大好きな、そしてとても大切な彼―。



「うんっ、」



「ほら、」



そういって優騎は私に向かって手を差し出す。



ギュ―。



強く、そして優しく、



手を繋いだ。




「ねぇ、ゆうき。」



「ん、」



「大好きっ」



「俺も、」



そういって優騎は優しく微笑む。



優騎は、本当に優しく笑うんだ。



私の、大好きな、大好きな笑顔―。




「そろそろ桜、全部散っちゃうねー・・。」



「そうだなー、」



「明日も一緒に見て帰ろうねっ♪」



私は笑顔で言う。

「あー・・。そら、明日。・・・一緒に帰れないんだ、・・ごめんな。」



優騎は申し訳なさそうに謝る。



「ん・・そっかぁ・・うん、わかったぁ・・・。」



「そんなに落ち込むなよ。俺まで寂しくなるじゃん、・・。」



ごめんな・・、そういって優騎は私の頭をポン、ポン、と二回、優しく叩いた。



いや、叩いた。というより、触れた。に近いくらい優しかった。


「ん・・送ってくれてありがと。」



「あぁ、じゃあな、」



優騎はまた優しく微笑む。



「うん、ばいばいっ!」



大好きな、優騎の笑顔を見ながら、私も笑顔で手を振った―。