「全く、あなた達は…。で、花音、話が途中でしょう?」
「あ、あぁ…うん」
もう一つ、私が言いたい事。それは……
「私、この世界で私を必要としている人達の元へいきたい」
私自身で動いて、手を差し延べたい。
「花音…それはどういう…」
「まさか、ルアーネを離れるつもりですか?」
ルアーネを離れる…
それは本当に不安で悲しいけれど、私は決めた。
「旅に出る!!」
「はぁあ!!!?」
「あ、頭、おかしくなりましたか?」
シェスとアルが信じられないと言わんばかりに声を上げた。
「おかしくないよ!!私、決めたからには早くこの状況をなんとかしたいの!!やっと、私にしか出来ない、私が望むものを見つけられたんだもん!!」
「…これはどうやら本気のようですね…」
「あ、あぁ…。こりゃあ聞く耳持たずに飛び出していきそうだな」
二人はため息をついた。
「花音、お前の望みはわかった。だがな、一人ではいかせない。お前はこの世界にとって、どんな宝石よりも貴重な存在なんだ、誰もがお前の存在を欲している」
「私を…?や、やだな、私はただの子供だよ?」
「あなたの力の事ですよ」
―ガンッ
「痛っ!!!!」
頭にアルの鉄拳が落ちてきた。
痛いいいいっ!!!
女の子にチョップとか信じられないっ!!!


