ルチア―願いを叶える者



「ナルと話していて、ナルの孤独に触れてみて…」


私より長い孤独を味わってきたあの人を…


孤独から救いたい。


「救ってあげたい…そう思った。私には、その力があるんだもん…」


私にしかない力……


「望んでいなかった力でも、たとえ、何かを犠牲にする力でも…」


このルチアの力を手にして解った。



「…私、もう力を使わないなんて言えない」


大切なルカとの約束を破ったとしても…


「何を言って…」

「ルアーネ国やメテアラの国を見て、その国の人達に触れてみて、苦しんでるみんなを救いたいって思う」

仲良くなった人なら尚更。その人の願いを叶えたいって思う。


「ルチアの力は、その願いを叶えてくれる…」


だったら迷わず使おう。
この世界のどこかで、報われない救いをひたすらに願う誰かの為にも…


「私は与えられたこの力を、正しい願いをもつ人の為に使いたい。その人の願いは、きっとたくさんの人を救う願いだから…」


シェスの願いがルアーネの民を救ったように、ナルの願いはきっとメテアラの民を救う。