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今日は月の国、メテアラに来ている。


ルアーネと同盟を組む国なんだって。


でも……


「本当に夜だね」


今は多分お昼頃。
だけど、メテアラは月の国の名の通りに夜だ。


「メテアラは夜が明けなくなってから、月の国と呼ばれるようになったんだ」


呼ばれるようになった?
シェスの言葉に首を傾げる。


「世界の変動…突然夜が続くようになったんです。ルアーネの水が枯渇したように」


アルが補足をする。


「そんな………」


ルアーネだけじゃない。沢山の国が異常な変化に脅かされてるんだ…


「ルアーネは水の恵みが戻り、復興へと向かってる。だが…」


同盟国メテアラは違う。



「太陽が昇らない…それは、私達の国で植物や食物が育たない事を意味します」

「!!!」


突然聞こえた声に振り向くと、漆黒の長い髪に金色の瞳をした青年が立っていた。


「やぁ、シェス、アル。会えて嬉しいよ」


青年は柔らかい笑みを浮かべる。


「ナル、久しぶりだな」

「ナル王子、お久しぶりです」


王子………王子!!?

私は慌てて頭を下げる。


「はじめまして!!花音って言います!!」

「これは…変わった風貌の姫君だ…」


相手は私を見て驚いてる。やっぱりこの髪は珍しいのかな…


「花音姫、私はナルディエル・メテアラだ。ナルと気軽に呼んでほしい」


ナ…ルディ…・メテアラ…?


む、難しい!!!
どうしてこの国の人は名前が長いのかなぁ!!?


「喜んでナルと呼ばせていただきます…」


絶対名前忘れるもん!!!


「花音は記憶力が貧しいので、ご無礼をお許し下さい」


なっ!!!!


「アル、そんな言い方ひどいと思う!!!」

「事実でしょう?」

「ムッ!!!」


じ、事実ですよーっ!!!


「こら、花音をいじめるな。美人が台なしだ」


び、美人………

シェス〜なんて優しいんだろう!!


アルと違って!!!


「ははっ!花音姫は本当に可愛がられているね」


ナルは面白そうに私達を見る