――――――――――
――――――――
――――――
「……この世界の月…私の世界の月と同じ形だ…」
夜空を見上げると、私の世界と同じ空と月がある。
ただ違うのは、この世界の月や星は少し近く感じる。
庭に出て、噴水の縁に腰掛けた。
水面に自分の顔が映る。
「…酷い顔……」
なんでこんな泣きそうな顔してるの?
私なんかより、シェスやアルの方が何倍も辛いはずなのに…
そういえば……
悲しい時に良く聞いた歌があったな…
「その手は今―…」
いつも私を剥げましてくれた歌。
「掴むべきものを見失って―…」
私に…前へ進む勇気をくれた歌…
「広い世界 空の下で今
立ち止まってる―…」
ただ自分の歌声だけが響き渡る。
「私の行く道は?
叶えたいものは?
ひたすらに問いかけて―…」
「あなたが願い 私は歌おう
あなたが必要とする私に
私はなろう」
「ただ冷たいこの世界に
淡い光を感じた
小さな道標を 頼りに私は行こう―………」
誰もいない庭で、私は一人で歌う。
今……
私に道標を下さい。
二人が幸せになれる道を示して…
私には何が出来る?
「誰か…教えて…」


