ルチア―願いを叶える者


――――――――――
―――――――
――――


「シェスは大丈夫かな…?」

「あの人は優しすぎる…。俺には分からない。自分勝手な民の為にどうして心を砕けるのか……」


アル…………
いつもより沈んでるように見える。


きっとアルも辛いんだ。
いつも傍にいても、シェスの重荷を一緒に背負う事が出来ないもどかしさ…


「シェスはいずれ王となる存在です。ですが、この問題を解決出来なければ、民の信頼を得られず、継承権を失ってしまうでしょうね…」


それって……


「シェスが王様になれないって事?」

「えぇ、そして継承権は第二王子のレイズ王子へと移るかもしれない。よりにもよってレイズ王子に…」


アルが弱音を吐くなんて…私、何かしたいって言って何もできなかった。


何も………



「これはこれは……。本当に水源が消えているなんてね」

「!!!」


突然聞こえた声に振り返ると、そこには見知らぬ男性がいた。