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ベレスレリアに来た時みたいに、私は急降下する。


もう落ちる心配は無い。
私には…翼があるから…


どこまでも飛んで行ける。


「私の大切なベレスレリア…」


美しい世界…
私が、命を捧げても守りたかった世界…


私は、この世界に来て真っ先にクリアナの森へと向かう。


アスラ様からもらった力、"千里を見通す力"は私が最も会いたい人の居場所さえ見通せた。


自分の為に使ってしまったのは申し訳ないけど、今回だけは許して欲しい。





私は、クリアナの森にある泉へ来ていた。



空から泉を見下ろす。
そこには……



「アル…」


愛しい人、アルがいた。
私の声なんて、この距離からじゃ聞こえないはずなのに、アルは周りをきょろきょろと見回す。


私はアルの元へと下りていく。


―フワッ


私の羽が、アルの頬をかすめた。


アルはゆっくりと空を見上げる。


「アルっ!!!」


涙が流れた。
泣きながら、それでも笑顔でアルに抱き着く。


「花…音……?」


恐る恐る私の背に腕を回すアルに、私は頷く。