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『よく来たなルチアよ』


声が聞こえて、目を開けると、そこは真っ白な宮殿だった。



ここ…見覚えがある…
確か……


お母さんがここにいたんだ。あの記憶の中で見た。


ならここは……



『ここは、神議の場。最後のルチアに問う』


周りを見渡すと、沢山の光が、私を囲んでいる。


「はい」


私の答えはもう決まってる。だから、私は凛と前を見据える。


『私の創りしベレスレリアは、存続に値する世界であっただろうか?』


一つの光が、私の前へと出る。


『答よ』


私は頷く。


「神様、あなたが創ったベレスレリアという世界は、本当に…美しい世界でした…」


何故か、涙が溢れる。
皆の顔が、瞼の裏に浮かんでは消える。



「私は、この世界で大切な人達に出会えた。この世界に来なければ、私の心はあの世界で死んでしまっていたと想います」


皆が、私の心に彩りをくれたんだ…


「私はこの世界に生きる私の愛しい人達がずっと幸せでいて欲しいから、自分の意志で命を捧げました。その事に後悔はしてません」


ただ一人……
アルの願いだけは叶えられなかったけど…


『命を、捧げるほどの価値があったと?』

「はい」


私は笑顔で頷く。


「これから、ベレスレリアを治めていく王達は、きっと平和な世界を築いてくれる。私が出会った人達は、皆そんな人達です」


出来るなら、傍で支えていきたかった。


でも……
私が出来るのはここまで…