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「あなた達の負けだよ、悪魔」


私は目の前にある黒い闇と、マナロフ王を交互に見据える。


「花…音……?」


驚いたように見つめるアルに、笑顔を見せる。


「私は、もうあんな闇に負けたりしない。守りたいものがあるから」


私の言葉に、アルは笑みを浮かべる。


「さすが、俺の選んだ女です」



アルも皆も傷だらけだった。恐らく…


命従の力で皆の動きを封じたんだ。


「ルチアの力よ…」

『動くな』

「っ…馬鹿にしないで…』


もともと、ルチアが与えた力。


私は試練に勝った。今の私が負けるはずない。


「命従の力を奪って!!」


―パァアアアアッ


「うああああああっ!!」



マナロフ王が叫び声を上げる。


―ドクンッ


…痛いっ…


思わず胸を抑える。


―ドクンッ


「うっ…うぐ……」


命が消えかけてる…
でもまだ…


死ぬわけにはいかない…