「ありがとうルリ…。私の大切な人…」

『っ…花音っ…』


ルリが私の背中に手を回す。


『あなたを、自分の子供のように思ってた。愛しくてしかたがなかった…』

「私も、ルリをお母さんのように思ってたよ…」



私を愛してくれてありがとう…


『ごめんね、花音。あなたを傷つけた…』

「あなたのせいじゃないよ」

『私の心が弱かったから、悪魔に取り込まれてしまった…』


それは、悪魔が悪い。
人は皆弱い。
それでも、それを乗り越える力がある。


その弱さに付け込んで、ルリを操るなんて…


許せない。


『でも、あなたは負けなかったのね…』


あの頃と変わらない姿で、ルリは私の頭を撫でる。


『花音、揺るがない想いを、熱い想いを見つけたのね…』


ルリの言葉に、私は強く頷く。