「ルカが、ルリに宛てた手紙だよ」


私はルリに手紙を渡す。
ルリはそれを読み始めた。


『…兄…さん……』


ルリの瞳に光が戻っていく…


『兄さん…兄さんっ…』


ルリは泣いていた。
私はルリを抱きしめる。


「ルリの事、ずっと心残りだったんだと思う。あなたを目の前で悪魔に奪われたから…」


ルカの記憶や想い…
見てきた私には痛いほどわかった。



『うっ…私も…ずっとルカ兄さんに会いたかった。ずっと……』



ルリの涙が移ったのか、私の目からも涙が流れる。


「ルリ……」

『私は…それすらも忘れて…』

「ルリ、あなたがたとえ忘れてしまっていたとしても、私達は忘れない」


私とルカは、ずっとあなたを愛してた。


『花音……』

「私を、愛してくれてありがとう。ルリが私の心を育ててくれたんだよ」


あなたがいなかったら、私はずっと心を失ってた。