「…かの者を…闇の淵へと誘え…」


アルは光の無い瞳で不穏な言葉を言い放つ。


その瞬間ー…


―グワンッ

「っ!!!?」


体が黒い靄に包まれた。
それは心なしか、冷たい。


「花音!!!」


アルが私に手を伸ばすしたのが見えた。


「アルっ……」


私も必死に手を伸ばす。
互いの手が触れ合う瞬間ー…


―ズルッ

「っ!!!」

「花音ーーー!!!!」


私の体は、闇の中へと、引きずり込まれた。