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ルアーネを出てから丸三日。帝国ガルディアまであと少しの所まで進んだ。


「ここらへんで良いだろう。ここで一休みとする!!!」


シェスの一言で皆が足を止めた。


今日で何回目かの野宿の準備をする。


「花音、疲れてないか?」


シェスが私の頭を軽く撫でながら尋ねる。


「私はアルの馬に乗せて貰ってるだけだから、疲れてないよ」


一人で馬に乗れないものだから、申し訳ない。


―ガツッ


「あたっ」


「あたっ…じゃねぇ、馬鹿。お前顔色悪いぞ。嘘つくんじゃねぇ」


ロイは軽く私の頭を小突く。


「あはは…ごめんね、本当は少しだけ体が重い」


体が衰弱している。
思いの外、旅が体の負担になっていたみたいだ。


「無理はするな。花音、俺達はお前に命を、体を犠牲にしてほしいわけじゃない。ただ花音に生きて欲しい…」


シェス………
私に生きてと願う人がこんなにいる。


それってどんなに幸せな事なんだろう…


「ありがとう…ありがとう二人とも…」


大好きな仲間…
あなた達に会えたのは運命だったのかもしれない…


お母さんや、お父さんや、ルカやルリが繋げてくれた運命…