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帝国ガルディアへ攻め入る準備が整い、ついに今日、帝国ガルディアへ攻め入る事になった。
「ルアーネの誇り高き騎士達よ!!!その剣は何を守る為のものか!!!」
「ルアーネを守る為に!!」
シェスの言葉に騎士達は声を揃えて叫ぶ。
「ルアーネの砦となり、託された民を守る力となれ!!」
「オォーーッ!!!!」
今度はレイズ王子の言葉に、騎士達が剣を掲げる。
いよいよなんだ……
いよいよ全てに決着をつけなければいけない時がきた。
「全軍!!!進めーーっ!!!」
シェスの一言で皆が馬を走らせる。
「舌を噛まないよう口を閉じて、しっかり俺に捕まっていて下さい」
アルは私を片手で抱きながら、馬を走らせる。
国境付近になり、レイズ王子がシェスと私達の元へ来た。
「ルアーネは任せてくれ。必ず守り抜く。これが俺にしか出来ない事だ」
そう言ってレイズ王子は笑う。
「ありがとう、ルチア。俺もやっと、自分の居場所を見つけられた」
「レイズ王子……」
こんなに清々しい笑顔をしてるんだもん、もう大丈夫だね。
「アルレイナ、お前にも迷惑をかけたな」
「あの程度、問題ありません」
「あの程度ってお前な…」
いつもの毒舌に、レイズ王子は苦笑いを浮かべる。
それからシェスに視線を向ける。
「…兄上、俺は兄上のように立派に国を守れる人間になりたい。その為にも、この戦争に勝ち、生き残る」
その瞳に迷いはなかった。これが…レイズ王子…
今までにない輝きを放っている。
「あぁ!!信頼してるぞ!!」
シェスの言葉に強く頷き、レイズ王子が率いる守りの軍は国境へと向かって行った。