「はぁぁ…。それなら良かったです…」


―トサッ


アルは脱力したように私の隣に横になった。


「てっきりあなたは嫌だったのかと。変な心労をかけさせないで下さい」

「ご、ごめん…」


アルが私を睨む。
でもそれほど怒っているようには見えなかった。


「もういいです…」


アルはごろんっと体の向きを変え、私に背を向けた。


いじけているようにも見えてなんだか可愛い。


可愛い…なんて言ったら何されるかわからないから言わないけど…



「アル…」

「何です?」


名前を呼ぶと、背中越しに返事が返ってきた。


私はアルの背中に抱き着く。


「っ…花音!?」


アルは驚いたように顔だけ振り向いた。


「私も触れたいって思うよ。アルが、大好きで、愛してるから…」


こんなにも誰かを思う日が来るなんて思わなかった。


だからこそ、私にこんな温かくて熱い気持ちを教えてくれたアルが愛しい。