ルチア―願いを叶える者



「違うよアル。残される人の方が、何倍も辛いよ…。だからね、今だけは…この幸せに浸っていよう?」


いつか来る別れを恐れて、今あるかけがえのない時間を悲しいままで終わらせたくない。


「今を精一杯生きるから」

「…えぇ…。あなたと過ごす大切な時間ですからね…」


やっとアルが笑ってくれた。


良かった…
アルが笑ってくれると、私は幸せな気持ちになる。


「もう月がのぼってしまいましたね」


「本当だ!!」


夜空に幾千の星達が輝いている。


なんて綺麗なんだろう…
城の庭で見た星空とも違って見える。


「そういえば…」

「なんです?」

「アル、ベレスレリアでも流れ星は流れるの?」


こんなに星が綺麗に見えるんだもん。
流れ星も見れるかもしれない…


「流れ星…流星の事ですね」

「そう!流星!」

「そうですね、時折目にする事は出来ますが…」


そうなんだ!!
じゃあ見れるかも!!


私はじっと夜空を見つめる。


「そんなに流星が見たいんですか?」


アルは不思議そうに首を傾げる。


「えっ!!知らないの!?」

「は?何をです?」


流れ星、流星と言えばアレしかないでしょう!?