ルチア―願いを叶える者



「俺は…もうあなたを愛していますよ…」


―ギュウッ

「…っ……」


アルが痛いくらいに抱きしめてくる。


その痛みさえ愛おしかった。


「俺は…あなたを失うのが恐い。でもそれ以上に、あなたを愛する気持ちの方が強い…」


アルは、一つ一つ確かめるように呟く。


「共に…いられる時間は少ない。なら俺が…あなたが逝ってしまった後も一人で生きていけるように花音、あなたの愛を俺に…」

「私の愛が…あなたの中で、あなたと共に生きていくように…」


私は最後の瞬間まであなたを愛す…


「…すみません花音。あなたが一番辛いというのに…」


アルは弱々しく呟く。