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「……て下さい」


………?
急に意識が浮上していく。

「…きましたよ」


…誰……??
誰かが何か話してる。



「起きて下さい、花音…」

「……んっ……」


ゆっくりと目を開ける。
そこには、心配そうに私をのぞき込むアルの顔があった。


「ア…ル……」


寝起きのせいか、声がかすれてしまう。


「目が覚めましたか、花音」


アルはホッとしたように笑う。



…アル……
ごめんね、不安だったよね…


眠ってしまう前に、アルは私に「いなくならないで」と言った。


私には、どんな願いも叶える力があるのに…


一番叶えたい人の願いを叶える事が出来ない…


こんな悲しい想いをさせるなら、いっその事、想いを伝えるべきじゃなかったのかな?


アルが好きだから、アルが生きるこの世界で幸せに生きて欲しい。


その世界を守りたいから、私は命を…


「花音、どうかしましたか?」

「え…?」

「え?じゃありませんよ。ぼーっとして、体が辛いんですか?」


あ…
私また考え事を……


いけない。
せっかくアルと過ごせる大切な時間なのに…