ルチア―願いを叶える者



「ルチアの力よ…」


もうこれ以上悲しみを生まない為に…


なにより、彼等が罪に苦しまない為に…


「彼等を在るべき姿へ戻して!!」


―パァアアア!!!


光が体から放たれる。


―ドクンッ


「うっ…ぁっ…」


命の花が散っていく…



「グギャギャギャー!!」


沢山の悲鳴が聞こえる。



炎が消え、視界が開けると、魔物だった人間達が倒れていた。


「我…ハ………」


死神は苦しそうに地に膝をつく。


「…死神……」



私は倒れそうになる体を必死に支えながら死神へ歩み寄る。


「花音」


アルが私に駆けより、体を支えてくれた。


「…死神…ううん、お父さん…」


私は死神へと手を伸ばす。死神に触れた瞬間――…


―バチンッ


「っ!!!」


静電気のような、鋭い痛みが指先を走った。