ルチア―願いを叶える者



「ふざけている場合?本気で殺すわよ?」


―ググッ

「あぁっ…ぐぅっ…」



鎖が更に私を締め付ける。


息…がっ……



「鎖を焼き払え…はぁぁあっ!!!!」


―バチバチバチッ


アルが私目掛けて剣を振り下ろす。


「…花音!!!」


炎にのまれる瞬間、ルリが私を呼んだ気がした。


「…ルリ…?」


―バチバチバチッ


すぐに炎が私を飲み込む。


「っ…熱く…ない……?」


咄嗟に閉じていた目を開けると、炎は鎖だけを焼き、私にはなんの影響もなかった。


あぁ…鎖が消えていく…
アルの炎が私を守ってくれる…


「お母さん…」


私にも、お父さんのように私を守ってくれる人がいる。


私も…それに応えたい…


「でもまずは…」


お父さんを止めなくちゃ。魔物に変えられた人達も…