「…まさかあれは…」
『あれは我だ。長い生を手に入れた我は、世界を滅ぼす自分が嫌になり、心を肉体と切り離した』
だから…
死神は「心さえ無ければ」と嘆いていたの…?
肉体にお父さんの心の残像が残って…
『死神は我の肉体が独り歩きしている存在。虚ろなる世界は我の心が作り出した世界だ』
私に会う為だけに……
お父さんは世界を…
私は世界を救う為に世界を、お父さんは私に会う為に世界の破壊を…
「私達は…どれだけすれ違って来たんだろうね…」
ただ、会いたかっただけだったのに…
『本当にな…。だが、我はどうしてもお前に会いたかったのだ…。もう、一人は嫌だった…』
"一人ぼっちは嫌"
私も、何度口にしただろう…
日本にいた頃、私はずっと一人ぼっちだった。
居場所が無くて、世界に私を愛してくれる人なんていないんだって思った。
でも……


