ルチア―願いを叶える者



『最後の賭けだ。100年後のルチアを最後に決議する』



「…あれは…なんです…?」


目の前に黒い禍禍しい闇が現れる。


―アレは神の試練。人の世で悪魔と呼ばれる存在



あれが…悪魔……?


『最後のルチアも結果は同じだろうがな』


『…そうだろうか。未来は誰にもわからない』

『何が言いたいのだ?』


ルカさんはボロボロの体で悪魔を強い瞳で見据える。


…花音に似ている…
何故かそう思った。


―ルカは花音だ


「どういう事です!?」


―花音はルカの生まれ変わりだ


生まれ変わり…?
何だか頭がついていかない。


「俺はルカさんを見た事があります。生まれ変わりなら目の当たりにする事は出来ないはずでは?」


―直に分かる




『彼女は僕が守る。悪魔にも、神にもやらない』



…勝てない…ですね…


あの瞳、あの揺るがない想い…



ルカさんは花音を…



『…そんなか細い命の灯で、今のお前に何が出来る?』

『僕だけじゃない。100年後のルチアが世界を守る』

『何故わかる?』

『僕が選んだルチアだからだよ』




―そしてルカは彼女に全てを託し、花音を守る為に力を使った


「花音の傍で護り続ける事がルカさんの…」



願いだったんですね…





―グワンッ



また空間が歪む。
そして…………



またもとの場所へと戻っていた。