ルチア―願いを叶える者



―ルチアは、白く、汚れなき心を持つ人間にしかなれない。それを1000年も…続けてきた


「なぜ1000年も…」


―答えは…同じだったからだ


「…良い結果にはならなかったんですね…」


―10人のルチアが犠牲者となった。力故に利用された者、力に見入られ世界を滅ぼしかけた者、化け物と追われ自ら命を絶った者…


…ルチアに…
そんな歴史が……


―ベレスレリアの神が世界の破壊を決めようとした時、9番目ルチアが現れた




―グワンッ


また場面が変わる。




『双子のルチア…か…』


―今までルチアは一人だった。だが、今回は双子だった



「あれはっ…」


見覚えがある。
あの双子は…………



―兄のルカと妹のルリだ



あの二人、双子だったんですね…


知らなかった…



「花音はこの事を…?」


―光のルチアは全てを知っている。だが、全てを知ったのはルチアとなってから随分と後のようだったが…

花音…
あなたは……


ルカの妹と知り、敵であるルリを見て何を思ったのですか…?



―この二人は互いに違う答えを見出だした


「違う答え…?」



―ルカは世界の存続を、ルリは世界の破壊を…



何故……



―ルカもまた、ルアーネに召喚されたルチアだ。ルアーネの王は昔から清い心の持ち主であった


ルカさんと同じで、花音がルアーネに召喚されたのは運命だったのかもしれませんね…



―だか、意志の強い彼にすら、世界を存続させるに足る理由を得られなかった



―グワンッ


また場面が変わる。