ルチア―願いを叶える者



―全ては1000年以上も前に起こった。



「…そんな昔の話をしてどうするんです?」


―あれを見ろ。



声に言われるまま、映し出された世界を見る。


そこには、白い球体がいくつも浮いていた。




『神議を始める』


光は声を発した。


「なんです…あれは…」


―神だ。神は、姿、形を持たない。魂のみ存在する




『…言わなくとも分かるな、ベレスレリアの創造神よ』


『…わかっておる…』



ベレスレリアの創造神と言われた光は、酷く悲しい声で前へと出る。




「俺達の世界の神…
という事か…?」



―そうだ。ベレスレリアを作った神があれだ



『お前の国は血を流しすぎた』


今度は他の光が声を発する。



『…弁解も出来ぬ』



ベレスレリアの神の光は弱々しかった。


―この頃、ベレスレリアは戦乱真っ只中だった。それゆえに多くの自然と命が奪われた


『ベレスレリアには存続させる価値などない』

『すぐにでも無に還したほうが良かろう』


「無に還す!?」


この人達は何を言って…



―神は世界を造り、また壊す役割を持つ。全ては神の手一つで長らえ、滅ぶのだ


…そんな…
俺達にはなんの意志もないのですか…?