ルチア―願いを叶える者



「くそっ…どけ!!!!」

「チッ…邪魔くせぇ!!」

シェスとロイがこちらに駆け寄ろうとする。


でも…


―ガキンッ


敵が行く手を阻む。


「キューイッ!!!」


ラウがアルを襲った黒装束の敵に突進する。


「…無駄だ」


―ドカッ


「キュッ…」


腕で薙ぎ払われ、地面に叩きつけられる。そして、ラウは微動だにしなくなった。



「…あ…あぁ……」


私の大切な人達…
私の守りたい人達…


「やめて…やめてよ!!なんでこんな事!!!」



私はルリを睨みつける。



「人間はルチアを傷つける害でしかないからよ。人間のせいで、傲慢な神のせいでルチアは苦しんできた!!あなただって同じよ!!」


私も…同じ……?
違う。
それは違う…


あなたがルチアという宿命の犠牲者だというのなら…


私はあなたの犠牲者だ。


ルチアの力を恨むんじゃない。私は…


「今私を苦しめているのはあなただよ!!ルリ!!私の大切なものを傷つけるあなたを恨む!!!」



彼等が失われたら私は…
あなたを許せない。


たとえあなたが…
私の母のような存在だったとしても…



許せない…