ルチア―願いを叶える者



「救い?私はそんなもの求めてないわ。私は、罪であるこの世界の破滅を、復讐を望んでいるのよ」


「そんな……」


「そして、抗う事の出来ない運命を課した神を呪う…」



ルリ………
ねぇ、もうあなたには届かないの…?


私は……
あなたにもう一度笑ってほしいだけなのに…


「無駄な時間を過ごしたわ。さ、始めるわよ」


ルリは手を挙げる。


何をする気………!?


「出でよ、魔を司る古の支配者達よ!!!」


―グワンッ


空間が歪み、そこから魔物がたくさん現れる。


「欠陥品だけど、まぁ、ある程度は使えるでしょう」


それからルリはパチンッと指を鳴らした。


「…お呼びでしょうか」


すぐに黒装束の人間が数人姿を現す。


なんなの……?


まるで瞬間移動したように現れた人間をただ呆然と見つめる。


「下がっていろ…花音…」


シェスは私を背に庇い、低い声でそう忠告する。


…シェス……?


「王子の言うとおりにしてなさい。もう二度と…あなたを渡さない…」


アル……
そうか、この人達が私を…


あの暗くて冷たい牢を思い出す。


あれがどこだったのか、誰が私を幽閉したのかも分からなかったけど…


どうやらルリが関係しているみたいだ。