「…止まって下さい」


先頭を歩っていたアルが前方を睨みつけ剣を構える。


「…なんかいやがる…」

「…空気が重いな」


ロイとシェスもそれぞれ武器を構えた。


―ドクンッ


「…ぁっ!?」


急に胸が苦しくなる。


―ヒタッ…ヒタッ…


何か近づいてくる…
そう…


言葉にするなら"絶望"…


「あれは!?」


アルの声でその"絶望"そのものが姿を現す。


「死神……」


鎌を持った死神がいた。
まるで闇が死を象ったような…


人でなく闇。
人を真似た死の神…



『…心ヲ…殺セ…』

「え…?」



死神から声が聞こえた。



「くそっ…こっち来やがる!!」


ヒタヒタと絶望が近づいてくる。


―悲しい


そんな気持ちに駆られる。