ロイ……
ありがとう……


貰ったお菓子を口に入れると、少しだけ泣きたい気分になった。


港でダンさんと別れ、私達はリグナの港町へと入る。

―キィィィン


「…っ…ルリ………」


この耳鳴りが教えてくれる。これは…


ルリの力だ…


「花音、大丈夫か?」

「ん…大丈夫…」


よろめく私をシェスがとっさに支えてくれる


「ルリの力を感じる…。みんな…気をつけて…」


ルリ……
私、あなたに会って伝えなきゃいけない事がたくさんあるんだよ…


胸元にしまった手紙に触れる。


ルカ……
力を貸して……


私の言葉が、ルリに届くように…