ルチア―願いを叶える者



「何も知らないくせに…」

私にとってルリは母親のようで姉のような人…


記憶が戻ってから、私はルリを憎めずにいる。


私の大切な人を苦しめた。でも……


私の家族だから…


もどかしくて、やるせない…


「何も話してはくれないじゃないですか…」


アルは悲しげに呟く。


あ……
感情的になって私…


アルを傷つけた…?


「…………………」

「…………………」


何も言えなくなり、沈黙が続く。


馬鹿だな…私……
今のは私が悪い。


でも…
謝るタイミング逃しちゃった…



「ったく、なにもめてやがんだお前らは!!重い、空気が重いから部屋戻っとけ!!」


ロイがしっしっと手を振る。


うん、戻ろう…
今は頭を冷やさなきゃ…


「部屋に戻るね…」


私はそれだけ言い残し、その場を離れた。