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見上げたそこには青空が広がっている。


雲一つなく快晴な空。


私達は晴れて出航する事が出来た。



「船を出してくれてありがとうございます」


私は舵を取るダンさんに声をかける。


ダンさんは助けた親子のお父さんだ。


驚く事に、ダンさんは船乗りだった。


「いえ、あなたのおかげでこうして日の下を歩く事が出来る。こんな事で恩返しになるかわからないが…」


ダンさんの顔は穏やかだった。


よかった……

こうやって笑顔が見られただけで、命を賭けた価値があったと思える。



あれからアルとは気まずくなってしまった。


私が…
避けてしまってる。


好きだけど…
好きだからこれ以上は…



別れが辛くなるだけだから…



だから自分に言い聞かせる。前だけを見られるように…



「…何かあったのか…?」


空を見上げていると、いつの間にか隣にシェスがいた。