ルチア―願いを叶える者



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『…ルリ…すまない…』


まるで人形のようにピクリとも動かない妹を抱きしめる。


もっと早く助けてあげたかった。


もっと早く……


『心が死んでしまった。それは、君自身が死んだと同じ。でも…君を一人にはしない』


残り少ない僕の命…
僕の誇りと、ただ一つの希望の為に…


『今、この時をもって、あらゆる異質な力を無効化とせよ!!!』


―パァァァァッ!!!


金色の花びらが体から飛び散るのが分かる。



―ドクンッ


『うっ…くうぅっ……』



痛い…苦しい……
もう絶えてしまう…


その前に……


『うっ…』

『ルリ!!』


ルリは頭を押さえながら僕を見る。


『敵…滅っする…命令…』

『もういいんだ!!もう…従わなくていい…』


抱きしめても何故か、ルリは消えてしまう気がした。


『…くっ…ふはははははっ!!!!!』

『!!!?』


抱きしめたルリが不気味な笑い声を上げた。


『ル…リ……?』


一体なんだと言うんだ…?


『命従の力が解け、残ったのは我の自我か』


『…お前は…誰…だ…?』


ルリじゃない。
どす黒くて嫌な空気だ。


ルリに纏わり付いているようにも見える。