ルチア―願いを叶える者



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また夢を見てるのかな…
声が聞こえる…


懐かしい……
これは………


「ルカ…?」


消えてしまったルカの声が聞こえる…



『シェア・ルアーネ…?』

『そうだ、俺はこの国の王になる人間なんだぞ』

『…王……?』

『なんだ、知らないのか?』



なんだろう…
他の声も聞こえる…


…シェア・ルアーネ?
ルアーネ国の王族の名前だ。


シェスとどこか名前が似てる。


私はいつのまにか閉じていた目を開けた。


そこには…………



『お前、何も知らないんだな。この国で俺を知らない人間に会ったのはお前が初めてだ』


シェスと瓜二つの青年、シェアと、見知った金髪の青年ルカがいた。


見覚えのある森、クリアナの森で二人は向き合っている。


『すまない。なにせ、こっちに来たばかりで頭が整理出来てないんだ』


ルカは困ったように笑う。


『来たばかり?どこから来たんだ?メテアラか?それともビラーあたりか?』


シェアは興味深そうにルカに尋ねる。


『…メテ…アラ?…ビ…何だって?』

『…お前…本気で言ってるのか?』


互いに見つめ合い沈黙する。
しばらくしてシェアが納得したように頷いた。


『お前、もしやルチアか!』

『…え!?なぜそれを?この世界でルチアという存在はそんなに有名なのかい?』

『有名も何も、伝説が残ってるんだ!救う為に神に使わされた奇跡の存在だってな!!』


シェアは興奮したように声を上げる。



『なんだ、ルアーネ国を救いに来たのか?ルチア』


『僕はルチアだけど、それは称号であって名前じゃない。僕はルカだ』


『ルカ…か…。俺はルアーネ国第一王子、シェア・ルアーネだ。よろしく!!』



二人は軽く握手を交わす。